「後ろ足で、耳を掻いている」、「頭を振っている」、「床に耳をこすりつけている」、「耳が臭う」、「耳が腫れた」などと、来院される方が、多くいらっしゃいます。外耳炎では上記の症状が、よく起こります。原因には、細菌、真菌(カビ)、寄生虫、アレルギー、物理的刺激などがあります。また、耳が垂れている、耳毛が多い、耳道が狭い、耳垢の過剰分泌などが、外耳炎悪化の要因となります。ここで、治療の流れを、簡単に、ご説明します。
①耳鏡で、耳の中を直接覗きます。耳垢、寄生虫、耳毛、鼓膜の状態を確認します。
②耳垢を採取し、顕微鏡検査を行います。細菌、カビ、寄生虫の有無を確認します。
③外耳道の状態に応じた、洗浄液を耳道に入れ、外から、マッサージします。
④本人に、頭を振ってもらい、汚れた洗浄液を飛ばします。
⑤症状に応じた、点耳薬を投与します。
原因が耳ダニの場合や、炎症が重度の場合は、全身投与(スポットオン、注射、内服薬)を行う場合もあります。症状にもよりますが、通院は、週1~2回、必要になります。
ご自宅でのケア
人と違い、犬・猫の外耳道は、L字型に曲がっています。曲がり角を痛めやすいので、綿棒の使用は避けてください。ご自宅では、耳のシワを、濡らしたコットンで拭き取る程度が良いと思います。汚れがひどい時は、ご相談ください。
外耳炎も、他の皮膚病と同じく、治療期間が長くなる傾向があります。
症状が軽いうちに、来院されることをお薦めします。